外資系出身マーケターの仕事の現場

外資系と日系、両方の就労経験から肌で感じた各々の違いを書いていきます。それと現在の仕事について。あと、いまの上司がクソなので、クソ上司エピソードも紹介します。

旅行業界の志望動機

4月に入り、ブラックスーツを着た新入社員の姿を街のあちこちで見かけるようになりました。またひとつ、自分が年をとった証拠ですね。辛いものです。つい数年前に自分もフレッシュマンだったうような記憶ですが実際は、、、

 

また就活生であろう学生の姿もちらほら見かけますね。今年は売り手市場?なんてことを聞いたりもしますが実際はどうなのでしょうか?

僕は今でもたまに「志望動機」を考えてみることがあります。大学生の頃に考えた志望動機と、社会に出て約10年経った今と、ビジネスの見方がどう変わったかを考えてみるのです。他社や異業種の志望動機を考えるにあたっては、ビジネスモデルを理解しないといけません。このモデル理解が進むとその会社の力点が分かるようになり、自分のビジネスに足りないものが見えてくるようになります。社内で新しい仕事を作るきっかけになったりするので、脳のトレーニングとして僕は活用しています。

 

そこで今回は今の自分なりに考えた旅行業界の志望動機について書いてみました。

 

なぜ旅行業界か?それは僕がいまGWの旅行のプランニングをしているからです。ただそれだけです。

 

一般的な志望動機

「学生時代、御社のツアーを利用したことがあります。その時に、〇〇に行き、××を見てとても感動しました。このツアーは御社のカウンターの方からご提案頂いたもので、当初考えていたツアーとは別のものでした。しかし、とても魅力的なご提案であったこと、またその提案が素晴らしい経験を私に与えてくれたことに感謝するとともに、私自身もお客様に対してこの種の感動をお届けしたいと思うようになりました。お客様の一生の思い出となるような仕事がしたいと思い、御社を志望しました。」

 

他社比較が弱いですが、まぁこんなかんじでしょうか。

旅行業界の志望同期は、旅行が好きとか、過去の経験とかが多いと思います。もちろん、旅行会社ではツアー企画などの業務もあるため、旅行が好きな方に来てほしいと思っているはずです。ですので旅行が好きであることは大切ですが、これはスタートラインであって、入社までの競争力があるアピールポイントではないですね。

 

違った視点から考えた志望動機

旅行業界というのは、非常に多くの外的要因が絡んでいる業界です。もちろんどの業界も外的要因は重要な要素ですが、おそらく旅行業界ほど外的要因が多い業界はないのではないかと思います。

思いつくままに挙げてみると、

「宿泊・交通・エンタメ・グルメ・天気・経済・景気・社会情勢・言語・IT」くらいでしょうか。もうちょっとよく考えたらもっと出てきそうですね。旅行に行くということは、宿泊施設や交通手段を選ぶことから始まって、現地での楽しみ方を調べます。また、行き先によっては、言語や天気(気温や雨季など)、ネッ環境なども重要な要素となります。さらに、景気が悪ければ旅行の支出は減るでしょうし、社会情勢が不安定な地域や時期は旅行そのものを避けるでしょう。逆に、円高の場合は海外で買い物をしたいと思う方も増え、近場の海外に人気が出ると考えることができます。

 

旅行というのは、たった数日の余暇の過ごし方のひとつでしかないのですが、そこには多くの外的要因が作用しています。これだけ多くの要因が絡むビジネスであるということは、それだけビジネスチャンスも多いということです。また何が自分たちの業績に影響を及ぼしているのか測定することも難しくなっていきます。様々な要素が顧客の選択を左右させているからです。複合的であるので、仕事は難しいし楽しいはずです。

 

まとめ

ユーザーに沿った視点として、自分の経験や価値観から動機を考えることは大切です。仕事の先には必ずユーザーがいますから。ですが、もっと全体を俯瞰した視点でそのビジネスを捉えてみると、他の人とは一味もふた味も違った動機形成ができるようになります。

ちなみに、上記の動機にさらに自分の経験や他社比較が加われば、より強い動機になります。ただ、新卒の場合は他社比較は必要ですが、中途の場合は必ずしも必要ではないです。なぜなら中途の場合、同じポジションを複数の会社が募集しているケースが少ないからです。つまり、競合他社同士が同じタイミングで同じポジションを募集していないので、並べて考える必要は必ずしもありません。